シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

写真展『写真家チェ・ゲバラが見た世界』

東京都写真美術館のお隣ガーデンホールで行われていた『写真家チェ・ゲバラが見た世界』にも足を運びました。

革命家のイメージが強かったので、こんなに世界を回っていたとは驚きです。

広島を訪問した際の写真も数点ありました。

この写真を見ると、チェ・ゲバラの「どうして原爆を落としたアメリカに日本人は怒らないのだ!」と言葉を思い出します。

いまの日本をゲバラが見たら、きっと嘆き悲しむことでしょう。

どうして日本政府は、核禁止条約締結決議に参加しなかったのか、甚だ疑問です。広島・長崎の犠牲者を愚弄しているではないか、国民を欺いているようにも見えるのです。

長崎原爆慰霊式でも、アベ総理は核保有国が参加しない核禁止条約は意味がないことを演説していましたが、それは詭弁でしかありません。多くの国が敢えて核禁止条約を締結することで、理想に向かって一歩ずつ進んでいこうとする姿勢が大切なのです。

唯一の被爆国であるのだから、核の問題だけは一歩も譲れないという姿勢を日本政府もとって欲しいものです。

現実の前に理想は無力なのでしょうか?

もしそう言う人がいるのなら、ニンジンを目の前につるされた馬のようにひたすら死に向かって走り続ければよいのです。

想像し、創造しうる能力を持ちえた故に、人間は理想を抱き、理念をもって社会を築きうるのです。

それを放棄する「現実主義者」には、私はNONと言います。

8月の空を見て、あらためて強く思うところです。

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おまけ:

企画はよいのですが、展示手法の点からは、展示の仕方がイマイチです。

映像モニターが各コーナーにあるのですが、その配置場所が、展示物の側らにあることで動線を遮り、展示写真の鑑賞の邪魔となっています。

モニターの大きさが、これまた小さいのです。18インチくらい?でしょうか。展示写真と同じ木枠で囲み、展示写真に似せているのですが、映像を見る上では、どうでもいい趣向です。

また、各映像の上映時間もそれなりに長いのです。これを立ったまま鑑賞しろというのも観客にとっては酷ですね。映像は全部で5本くらいあったでしょうから、総上映時間は1時間くらいになるのでしょうか。(もう見るのに疲れて途中で映像鑑賞は止めたのではっきりとはわかりませんが)

写真展示会場の後に、映像コーナーを別に設けて、大画面のモニターで着席状態でじっくり上映してほしいと思いました。

というわけで、ミュージアムでの企画ではないため、展示方法は頂けません。