シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

早春の葉山、山口蓬春記念館へ

早春とはいっても、急な冷え込みで震えている ぐるぐるです。

近代美術館のあとに、『山口蓬春記念館』に行ってきました。

神奈川県立近代美術館有料観覧券の半券を持っていくと割引されるそうです。

近代美術館前の道路を渡って、山口蓬春記念館への目印の看板どおりに細い道を上がって行くと2分ほどで着きます。

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お庭の手入れが行き届いて、梅の季節はほぼ終わっていましたが、辛うじて咲いていたのがありました。

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山口蓬春は昭和23年55歳の時に、葉山一色にアトリエ兼住居を構えました。没後、その住居が記念館となっています。だから、スリッパに履き替えての見学となります。

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別棟では、2階にセルフサービスのお茶が飲める休憩室があり、1階で山口蓬春の生涯を伝えるビデオ(映像時間23分)を見ることができます。ここでは、日本画の絵画教室も開かれていて、訪問した日が教室日と重なったこともあり、生徒さんの出入りが多かったです。生涯教育に力を入れているようです。

住居を改装しての展示場ですので展示数は数えるほどですが、蓬春のアトリエがそのまま残されており、こんな風景を眺めながら、制作活動していたのかと画家の生活が忍ばれます。

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山口蓬春は、大正4年東京美術学校(現 東京藝術大学)西洋画科に入学しますが、大正8年日本画科に転科します。そのような経歴のためか、蓬春の絵は、日本画と西洋画がバランスよく融合されたものでした。

道しるべの看板に使われているシロクマは、《望郷》からとられています。(蓬春記念館には、下図が展示されていました。)

夏のある日、上野動物園に写生に出かけた蓬春は、誰かの厚意で贈られた氷柱を暑さを忘れるかのように、シロクマが撫でたり、抱いたりする可憐な姿に触発されて描いたということです。本来ならば、日本のような暑さに遭遇することもない北極に住むシロクマと南極に住むペンギンたち。同一画面に本来は同一空間に存在し得ない彼らを一緒に描くことによって、彼らの望郷の念を駆り立てているようです。でも、その絵には、切なさはなく、色と形の調和が彼らの可憐な姿を映し出していました。

このほか、静物画も数点展示されていて、日本画でありながら、セザンヌマチスの絵を思い出させるような蓬春のモダンさが見て取れました。

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↑最新版の図録です。2000円(税込)でした。

 

一通り見て、バスに乗り込み「新逗子駅前」バス停で降りると、バス停の前にドーナツ屋さんがありました。若い娘さんたちがぞろぞろ入っていくので、こちらも釣られて、小腹が空いていたこともあり、入ってみました。どうやら若い娘さんたちは、「葉山女子旅きっぷ」なるものを利用しているようで、トートバッグと3個のドーナツをお土産としてもらっておりました。

www.keikyu.co.jp

店内は小さく、若い娘さんで込み合っていて気後れしましたので、お持ち帰りにしました。駅のベンチでドーナッツを頬張ると、脂っこくないヘルシーな美味しいドーナツでした。パクパク食べてから、ドーナツの写真は撮り忘れていたことに気づきました。

葉山に出向くようなことがあれば、ミサキドーナツに寄りたいと思います。

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「葉山女子旅きっぷ」も、サイトを見ると結構お得そうな感じがします。

次回、近代美術館へ行くときは、日帰りショートトリップも兼ねて、「葉山女子旅きっぷ」を利用するのもよいですね💕