シャボン玉のお散歩

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東京都美術館『ボストン美術館の至宝展』

東京都美術館ボストン美術館の至宝展』に行ってきました。

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金曜夕方近くで、多少込み合ってるところもありましたが、スムーズに見ることができました。

出展作品を事前に確認していなかったので、ゴッホと英一蝶くらいしかないのかなーとあまり期待していませんでしたが、各分野から名品が揃えられていて、かなり見ごたえがありました。

1章 古代エジプト美術

ツタンカーメンのマスク》は、官能的な口元、ピアスの穴まで丁寧に彫られた美男子なマスクでした。《ハトシェプスト女王小像断片》は、情勢的な優しい顔立ちです。

 

2章 中国美術

徽宗皇帝の作品《五色鸚鵡図巻》が中国美術のはじめに展示されていました。痩金体を考案した徽宗ならではの精緻な筆遣い、それでいて力強さがあり、品の良さが文字から見て取れます。もちろん絵画も繊細な筆使いで自然描写がなされ、鸚鵡の毛はふんわりして、のど元の赤と杏子の白い花のコントラストが美しいです。ガラス越しとはいえ、近くで見ることができよかったです。

陳陽《九龍図巻》も迫力があって、素晴らしかったです。酩酊状態でこうも緻密に描けるなんて、酩酊だからこそ、高揚した気分でここまで描いたのか、描いたときの状況を想像してしまいました。

 

3章 日本美術

やはりここでは、英一蝶《涅槃図》が見逃せません。

経年による劣化でボストン美術館でも25年以上公開されず、約170年ぶりに解体作業をして紙の折れや亀裂、汚れなどを本格的に修復したそうです。修復工程がモニターに流れています。

涅槃についた御釈迦様の周りに、菩薩、羅漢、動物たちが嘆き悲しんでいる様子が大きな画面に色鮮やかに描かれ、どんな動物が描かれているか、それぞれの表情を見ていくのが楽しいです。

曽我蒼白《風仙図屏風》、酒井抱一《花魁図》など、他にも逸品が展示されています。

 

4章 フランス絵画

ミレーから始まり、印象派を中心に作品がコンパクトにまとめられていました。

ゴッホ《郵便配達人 ジョセフ・ルーラン》と《子守唄、ゆりかごを揺らす オギュスティーヌ・ルーラン夫人》が夫婦揃って、来日が目玉のようです。

 

5章 アメリカ絵画

ジョージア・オキーフの本物をはじめて観ることができました。花の抽象画と木の抽象画の2点だけの展示でしたが、それでも本物を目にすることができ、大感激です!!

オキーフは、「アメリカモダニズムの母」と呼ばれ、昨年、ロンドンのテートモダンで大回顧展が開かれていました。

ボストン美術館の円形大ホールの天井画を制作をしたジョン・シンガー・サージェントの作品も展示されています。

 

6章 版画・写真 

19世紀から20世紀のアメリカを描いた版画と写真が展示されています。この時代のアメリカの様子を見ると、いつも、「どうして日本は、こんなに物資豊富で、進んでいる国に戦争を挑んだろうね。」と愚かさを感じてしまいます。

 

7章 現代絵画

デイヴィッド・ホックニー《ギャロービー・ヒル》がありました。ホックニーは、今年、ロンドン (テート・ブリテン)、パリ(ポンピドー・センター)を巡回して、ニューヨーク(メトロポリタン美術館)で大回顧展が開かれます。日本でもどこかで展覧会開いてくれないかなーと思います。

面白いのは、お皿に盛られた新鮮な果物が朽ち果てるまでの映像作品、サム・テイラー・ジョンソン《静物》です。果物が徐々に新鮮さを失い、腐敗していくのに対し、お皿とその傍に置かれた青いボールペンが不変であるのが印象的です。

 

展示の所々に、ボストン美術館に貢献した方々、寄贈した方々の紹介がされていました。人々が結集して、後世に芸術を、文化を繋いでいこうとする姿勢が本当に素晴らしく、この姿勢が、ボストン美術館を支え、世界的に優れた美術館のひとつと取り上げられるのだと痛感いたしました。

図録を購入するとサージェント《ロベール・ド・セブリュー》の栞が付いてきました。

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会期 10月9日(日)まで  

boston2017-18.jp

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