シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

静嘉堂文庫『あこがれの明清絵画~日本が愛した中国絵画の名品たち~』

雨の木立を抜けると、静嘉堂文庫が見えてきました。

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ブロガー内覧会というイベントに初めて参加しました。

静嘉堂文庫の河野元明館長のお話は落語調で小噺を交えたり、板倉聖哲先生との小バトルもあり楽しいものでした。トークイベントの後、展示会場へ。

普段は、ギャラリートークなるイベントになかなか参加できないのですが、やはり、学芸員や研究者の方々の解説は有用なものがあり、より一層絵画鑑賞を楽しめます。

さて、『あこがれの明清絵画~日本が愛した中国絵画の名品たち~』展示内容の方はというと、張翬≪山水図≫狩野探幽≪張翬筆 山水図模本≫からはじまります。

一番の見どころは、沈南蘋≪老圃秋容図≫ではないでしょうか。ふわふわとした猫、そして艶感ある瞳が印象的です。竹内栖鳳菱田春草の猫の絵を思い出させます。

沈南蘋は江戸時代中期、日本で大流行した画家で、1年半ほど長崎で滞在したといわれているそうです。そして、≪老圃秋容図≫は中国から持って来た作品だとか。谷文晁派が画塾の粉本として模写した≪沈南蘋 老圃秋容図粉本(個人像)≫が別のガラスケースに展示されています。

 陸治≪虎図≫、≪花鳥図≫は、若冲がお手本としたのかなーと思わせるような感があり、張瑞図≪松山図≫は、円山応挙が実際に見て模写しているといわれているそうです。

虎図は、掛軸の折皺で傷みがはげしく、シワシワでかわいそうです。早く修復していただきないなーと思います。

展覧会の誘い文句に、「若冲、応挙、谷文晁も、みんな夢中になった・・・」とありますが、どの絵に彼ら個人は、気をそそられたのかなーと想像してみるのも楽しいかも。

その他、書や陶器、初公開の扇面図も展示されています。

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二子玉の喧騒から離れ、お散歩がてら、小さな美術館で明清絵画を楽しむのもよいかもしれません。

会期2017年10月28日から12月17日まで

※展示の写真は、美術館より特別に写真撮影の許可をいただいております。

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www.seikado.or.jp