シャボン玉のお散歩

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米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー

渋谷ユーロスペースで8月26日から3か月半もの長期間に渡り上映されていたドキュメンタリー映画『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』を最終日12月8日に観にいきました。

映画を観るまでは、瀬長亀次郎氏の存在を知りませんでした。

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瀬長亀次郎氏は、沖縄で生まれ育ち、戦争を体験し、占領下の沖縄で、米軍による圧政に不屈の精神を持って立ち向かっていった方です。

映画では、元稲嶺沖縄県知事、亀次郎さんの次女やその他市井の人々の証言を通して、亀次郎さんの痕跡を辿りながら、いまなお続く沖縄の基地問題について深く考えさせられる内容となっていました。

沖縄の人の証言から、本土に住む私たちには、計り知れない沖縄の人々の苦しみ、悲しみ、辛さが伝わってきます。(こんな文表現では言い尽くせないのが、苦しい・・・)

でも、亀次郎さんは、沖縄の苦難から脱するため、沖縄のため、沖縄の人々ために、自らを捧げ、不屈の精神で米軍に立ち向かっていきました。その姿に敬服するとともに、最期のときを迎えるまで亀次郎さんの目は前を見据え、曇りのないきれいな目をしていたことに感動しました。

その一方、国民を守るべく日本政府が、なんの助けにもならないどころか、沖縄の人たちに目を向けないというか目を逸らしているのではないかとさえ感じてしまう。

日本は独立国です。日米安保の重要性は認識してはいますが、米国の顔色ばかり見ていないで、もっと、この日本を、日本国民を守るという姿勢を取って欲しいものです。

映画の最後の方に、衆議院議員となった亀次郎さんと沖縄返還時の首相・佐藤栄作氏の国会での質疑応答シーンがありました。佐藤栄作総理大臣は、メモなど見ず、自分の言葉で亀次郎さんの質問に答え、手厳しい亀次郎さんに対しても敬意を払って答弁に立っている姿に感心しました。いまの大臣たちは、メモばかり見て、自分の言葉で答弁できず、ややもすると、自分にとって都合の悪い相手だと見下すような態度には、辟易してしまいます。

ユーロスペースでの最終日でしたので、映画終了後、佐古忠彦監督の挨拶がありました。沖縄の問題の「今」と「過去」を結びたいという佐古監督の言葉に納得させられました。東京では、12月8日が、奇しくも真珠湾攻撃・日米開戦の日が、最終日となりましたが、今後も、日本の各地で上映されていくそうです。

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平日午後ということもあり、中高年の鑑賞者が多かったですが、若い方や政治家の方にも是非見ていただきたいと思います。

www.kamejiro.ayapro.ne.jp