シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

世界を変える美しい本  インド・タラブックスの挑戦

こんにちは。生まれて初めて板橋に行ったぐるぐるです。

ぐるぐると美しい本『夜の木』との出会いは、2013年パリに旅した時に、ボン・マルシェ近くのお気に入りの本屋さんです。紙の質感といい、インクの香り、そしてデザイン性のある素敵な本で、こんな絵本は絶対に日本で手に入らないという思いから、もちろん、フランス語バージョン『夜の木』を、即、購入しました。ハンドメイドなので、部数も限られており、シリアル番号入りでした。

今年の初夏、絵本専門店で、日本語バージョンにお目にかかって、インドの本であることを恥ずかしながら、数年経って、知ることになりました。
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そこで、遠いので迷っていたのですが、12/10の日美アートシーンで紹介され、素敵なインスタレーションに誘われて、意を決して、板橋区立美術館「世界を変える美しい本  インド・タラブックスの挑戦」展を見に行きました。

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東横線副都心線やら、それ以北に接続されてから、初めて、渋谷以北に乗りました。渋谷まで混雑していたのが、嘘のように、ガラガラ!!何のために繋げたの?昔の方が渋谷から座れて帰れたのにと・・・。

さて、展覧会はというと、平日にも拘らず、入れ替わり立ち代わりの入場者。それでも、ゆっくりと落ち着いて見ることができました。

本とその原画数点展示されているという構成で、タラ・ブックスの歩みがわかります。所々に制作工程やインタビューの動画がモニターで流れています。こちらの動画を見るだけでも、時間がかかってしまいました。ざっと見れば、1時間くらいで終わりそうな規模の展示ですが、2時間近くも滞在してしまいました。

タラブックス は、手すきの紙にシルクスクリーンで印刷したハンドメイドの絵本で知られています。

文学者のギータ・ウォルフさんがインドの子供向けの本を充実させたいという思いから1994年に立ち上げ、その後、歴史家で女性活動家のV・ギータさんが共同発行人となり、いまでも、総勢50名ほどの小規模な出版社です。絵や文で伝える絵本には可能性があるのではないか考え、伝えるという行為だけはなく、思わず手にとりたくなるような美しい絵本の製作に取り組んでいます。

インド中央部に居住するゴンド族制作の絵本のコーナーには、原画だけではなく、各国語『夜の木』の表紙も展示されていました。

ゴンド族の絵本は、どれも知的かつ詩的で、曲線が絡み合い、自然が織り込まれたデザイン性に富んでいました。これが、1冊1冊、ハンドメイドなのですから、感動します。

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また、従来の本の形にとらわれず、じゃばら折の絵本や布でできた絵本もありました。じゃばら折の絵本は、12/14(木)「NHK  ニュースチェック11」でも紹介されていました。

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タラブックスは、美しい絵本だけではなく、社会的問題を取り上げた内容の絵本も出版されています。たとえば、『Trash(ゴミ!くず拾いの子供たちとリサイクルについて)』では、ストリートチルドレンの子供たちの物語を通して、社会状況の問題も発信しています。

展示されている絵本を手に取って読めるコーナーで、布製の絵本を発見しました。袋の中に布製の本が入っていて、凝った作りとなっていて、もちろん、ハンドメイドです。shopで買おうかと思いましたが、結構なお値段でしたので、今回は断念することに・・・。

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※写真について、「当面の間は、一部を除き撮影可」なる旨の注意書きがありました。出向いた日は写真を撮ることができました。

この日、やっと、英語版の『夜の木』(下写真の右側)を手に入れました。

(左が昔パリで買った、フランス語版です)

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図録も絵本のカタログのようなおしゃれな作りで、次はこの絵本が欲しいかもと思ってしまいます。

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会期2018年1月8日まで

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www.itabashiartmuseum.jp