シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

ルドルフ2世の驚異の世界展

寒くて外出するのが億劫のぐるぐるです。

寒いですけど、渋谷Bunkamuraミュージアム『ルドルフ2世の驚異の世界展』に行ってきました。

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ルドルフ2世は、ウィーン・ハプスブルグ家で生まれ、11~19歳の多感な時期、スペイン・ハプスブルグ家のフェリペ2世(スペインの黄金期)のもとに預けられ、そこで、高い教養を身に付けます。

ルドルフ2世はウィーン・ハプスブルグ家の皇位に着くと、スペインの影響を避けるため、帝都をウィーンからプラハに遷します。彼は、寡黙で内気な風変りで、政治や結婚に興味がなく、科学・芸術に目が向き、様々なものを収集したということです。

ルドルフ2世の死後、皇位継承したルドルフ2世の弟はプラハからウィーンに帝都を戻し、ルドルフ2世の収集物の重要なものはウィーンに運ばれ、また、その後、戦争などにより、彼の収集物は世界に点在することとなります。

ルドルフ2世の収集物やその複製が今回の展示内容でした。

会場に入ると、ルドルフ2世の生い立ちなどを紹介した動画が流れていました。こちらの動画を見てから、鑑賞していくのがお勧めです。

今回の展覧会のテーマであるルドルフ2世の肖像画をはじめ、ハプスブルグ家の歴代皇帝の肖像画(版画)が展示され、しゃくれた顎がハプスブルグ家の特徴であることに、改めて気づかされます。

展示の中に、アルチンボルド《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》がありました。昨年のアルチンボルド展(国立西洋美術館)でも、「こんなおかしな肖像画(寄せ絵)で皇帝(依頼主)に怒られなかったのかなー」と、疑問を持ってしまいましたが、今回もまた同じこと考えてしまいました。

でも、ルドルフ2世の収集物から、ルドルフ2世が森羅万象に興味を持ち、尊んでいることを感じ、自分の慈しむ自然のものを組み合わせ描いてくれたことに驚嘆し、感動していたのかもしれないと、ちょっとわかったような気がしました。(いや、やっぱり理解しがたいです・・・)

アルチンボルド以外は、いままで注目しなかった作品ばかりでしたが、どれも目をひくものでした。

中でも、幻想的風景画と動物画を合体したルーラント・サーフェリーの作品に引き付けられました。

《動物に音楽を奏でるオルフェウスは、美しい光が射し、オルフェウスの奏でる音楽に動物たちが魅了されている様子が幻想的でした。この絵には20種の鳥、18種の哺乳類がペアで描かれていることに驚かされました。

《森の泉》、《大洪水の後》も、幻想的風景画と動物画が組み合わさって美しかったです。

サーフェリーがこんなに多くの種類の動物を描けたのは、ルドルフ2世の動物園にいた異国の動物や収集した版画・素描・剥製などを目にすることができたからです。

 

ヨーリス・フーフナーヘル《人生の短さの寓意(花と昆虫のいる二連画)》の細密画は、一方は骸骨を中心に、もう一方は天使を中心に小宇宙が羊皮紙に描かれていました。

絵画作品を一通り見ると、最後に剥製や工芸品が展示されていました。

展示会場を出ると、アルチンボルドの作品《四季》シリーズを立体化したフィリップ・ハースの作品が展示されていました。ちょっと不気味です・・・

こちらは、撮影可能でした。

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会期2018年3月11日まで

 

www.bunkamura.co.jp