シャボン玉のお散歩

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国立新美術館 『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』

「絵画史上、最強の美少女。」と一度は呼ばれてみたい ぐるぐるです。

国立新美術館『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』に行ってきました。

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会期前半の平日にも関わらず、結構の人出でした。印象派の展覧会はいつも人気ですね!

ビュールレ・コレクションは、ビュールレの自宅別棟で公開されていましたが、2008年に盗難事件があり、その後、一般公開は規制され、2015年閉館となりました。2020年には、個人財団の所蔵作品はチューリッヒ美術館に一括移管されるそうです。このため、ビュールレ・コレクションとしては、これが日本で最後の展覧会になるということでしたので、足を運びました。

2008年の盗難事件で奪われ、ほどなく、損傷もなく取り返すことができた、セザンヌ、モネ、ゴッホドガの主要な4作品含め、64点が展示されています。そのうち半数が日本初公開ということです。

印象派と題されていますが、印象派だけではなく、印象派に影響を与えたコロー、ドラクロワをはじめ、ポスト印象派キュビズムピカソやブラックなど、ビュールレが収集した作品が展示されています。

選りすぐりの作品がコンパクトにまとめられていて、印象派前後のフランス美術史がわかりやすい展示内容でした。

展示会場は、肖像画からはじまって、このあと展示されているであろう画家たちが描いた肖像画が展示されて、次への展開は?と思わせるものでした。

 

2 ヨーロッパの都市 

カナレット≪サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂ヴェネツィア≫、≪カナル・グランデヴェネツィアでは、光降り注ぐヴェネチアの風景が描かれており、今回の展覧会には直接関係ありませんが、おそらく印象派に影響を与えたであろう画家のひとりターナーが描いたヴェネチアの風景画を思い出します。その証拠ではありませんが、ターナーの作品に感銘を受けたモネの作品≪陽を浴びるウォータールー橋、ロンドン≫もこのコーナーに展示されていました。

 

3 19世紀のフランス絵画 

印象派が誕生する前のフランス絵画、ドラクロワやマネのオリエンタルを主題とした作品やコロー、クールベなどの作品が展示されていました。

 

印象派の風景-マネ、モネ、ピサロシスレー 

印象派の人物ードガルノワール

 4,5は、いうまでもなく、「印象派の風景画といえば・・・」、「印象派の人物画といえば・・・」この画家って感じです。

5のコーナーに、ポスターにもなっているルノワール≪イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)≫が展示されています。

ルノワールの描く少女は本当に美しいです!!イレーヌ嬢は、特に清楚で可愛らしく、髪の毛の1本1本までもが繊細で、フランス人形のようです。さすが、モディリアーニに「女の尻が好きだ」と言ったいう、ルノワール。女の子が心底好きなんだー、といつも感じます。(笑)

(ちなみに、モディリアーニは「僕は、女の尻は嫌いだ」と答えたらしいです。そうかもね。)

 

ポスト印象派として、6,7へと続きます。

ポール・セザンヌ 

ルノワールのイレーヌ嬢に対して、ここには、セザンヌ《赤いチョッキの少年》が登場します。セザンヌらしく、武骨な感じでイレーヌ嬢とは対照的ですね。(笑)

 

フィンセント・ファン・ゴッホ

出品作品は6点と少ないものの、昨秋、東京都美術館ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』よりも見ごたえのある作品ではないかと、思ってしまいました。サンレミの療養院を退院後に描いた1890年の作品《花咲くマロニエの枝》は、穏やかな明るい感じで、その後、自殺してしまうなんて、どうにも信じがたく、受け入れがたいです。

 

8 20世紀初頭のフランス絵画 → 9モダン・アート につながります。

 

そして、最後に 10 新たなる絵画の地平 と題して、モネ《睡蓮の池、緑の反映》がドーンと展示されていました。ここは撮影可能で、みんな写真撮るので落ち着いてみるにはちょっと難ありですが、どの睡蓮の作品を見ても、いつも「モネは、どんだけ睡蓮が好きだったのろうか!?」と感嘆します。 

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www.buehrle2018.jp