シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

映画『夜明けの祈り』

『夜明けの祈り』は、実話に基づく映画です。

第二次世界大戦後、ドイツが撤退したポーランドにはソ連軍が侵攻してきました。ある日、ポーランドの田舎町の修道院ソ連軍が侵入し、修道女が陵辱されたうえ、数人の修道女が身ごもってしまう悲劇が起こります。

分娩の日が近づき、修道院の秘密を守るため、ポーランドソ連以外の医者を探します。一人のフランス赤十字の女医に助けを求めて、淡々と展開していく見ごたえのある映画でした。

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(このあとは、ネタバレあり)

フランス女医にはじめは頑なな態度だった修道女たち。診察で胎児の心音聞かされたり、再度、ソ連軍がやって来て、女医が機転よく追っ払うといった行動から、修道女たちも心を軟化させていきます。

赤ちゃんが生まれるまで神から罰を受けてしまうと罪に苛まれて生きていた修道女たちが母としての顔となり、自らの運命を受け容れていく姿が心に響き、そこには神の救いが見られました。

そして、修道院長がおそらく最期(映画では床に伏しているところまで)まで、ひとりで贖罪を背負っていたのが、悲しく切なかったです。

ソ連軍ってどうしてこうも、悪いのか。敗戦国とはいえ、中国から引き揚げてくる日本人にも酷い行いをしてきたし、戦争がそういう行為に走らせてしまったのか。。。

戦争は、フィクション、ノンフィクションに関わらず、弱者が犠牲となってしまうのが、切なく苦しく、負の言葉しかでてきません。戦争は絶対してはならないものだと、痛感します。

最近は共謀罪法の施行など、きな臭い雰囲気が漂っています。現状での憲法改正は、日本の平和のために、絶対に回避しなければなりません。

この夏、ぜひお見逃しなく!!

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