『杉戸洋 とんぼ と のりしろ』展に行ってきました。
展覧会のタイトル「とんぼ」と「のりしろ」は、印刷用語からきているのでしょうか。
トンボは天地・左右の断裁する位置の目印、のりしろはのりで付け合せるところを意味しています。ということで、展示空間がひとつの作品で、その中に個々の作品が組み合わせっているように見えました。まるで、展示空間を家とすると、個々の作品は家に置かれているインテリアって感じです。
会場案内図は、作家さん手書きです。
地下3階から地下2階に向かって行く順路です。
地下3階には、絵がさり気なく置いてあって、絵の中になぜかスポンジ。トイレの近くにも白い大きな額縁がこれも作品のひとつなのかなー?不思議。
ひとつ上階へ。壁と床の間の幅木のところに煉瓦?ブロック?をイメージさせるような演出がなされていました。さりげなく置かれている紙箱の積み重ね。自分の家なら、「早く片付けて!!」となってしまうのに、インテリアオブジェに見えてしまうのが不思議。他にも捨ててしまいそうなスポンジとかも作品に取り入れたりと。。。
順路の看板近くに、照明とソファ椅子が置かれていて思わず座ってしまいそうですが、これも作品。壁に掲げられた絵画は額縁まで作品になっていました。
拭き抜けの空間となっているので、地下2階にある壁のように立ちはだかるあのタイル作品は一体なんだろう?と思いつつ、地下2階へと。
巨大な棚に、鮮やかなタイルが貼りつけられ、本棚のようにも、滝のようにも、ピアノのようにも見え、ここにもスポンジがだらんと帯のように組み込まれていました。遠くから見ると色見本のようにもみえます。後ろ側は板の剝き出しでしょ!?と思って後ろ側に回ると、枠組みを利用して小作品が展示されていました。
どこまでも作品を利用して、小宇宙を創り出している不思議な空間でした。
【追記】
図録が欲しくて、再訪しました。タイルの制作過程もあって、表紙は絵本のような、そして中は写真集のような、素敵な図録です。そして、学芸員解説の英訳冊子が付いています。
会期 10月9日まで