こんにちは、野生の申し子、ぐるぐるです❣️
幼い頃、自然の中で育ったために、野生と切り離された都会生活には疲れます。
さて、今回は、六本木の 21_21 DESIGN SIGHT で開催中の『野生展』に行ってきました。
六本木界隈の美術館には何度も行っていますが、ミッドタウンの裏手で、雰囲気が、ヨーロッパ郊外の美術館のような佇まいです。ちょっとホッとします。
中沢新一氏がディレクターで企画された展覧会です。中沢さんには、昔、神保町の北澤書店のイベントであったことがあります。ケツン・サンポ・リンポチェの講演会でした。懐かしい〜
中沢新一氏と野生と言えば、「南方熊楠」「レヴィ=ストロース」・・・などと連想します。なので、熊楠に関する展示ももちろんありました。
展覧会の始まりには、新さんの故郷・甲州に多くあるという「丸石」が鎮座しています。・・・なんというか圧倒的な存在感です。言葉が出ません。
翻って、私の故郷にもこんな石あったなと、思い出しました。日本各地に、こういった信仰物ってありました。今でも東京の片隅に、大切に信仰されている石地蔵などみかけます。
その近くには「這い熊」という大きな木の塊のようなものが。よくみると確かに熊です。圧倒的な原始的なパワーを感じます🎶
観客が南方熊楠の脳内と一体化する不思議な映像作品から、熊楠の使った顕微鏡や標本箱も。
会場はインスタレーションのオンパレードです。これぞ野生というもののトータルな表現として適切なのかもしれません。
黒田征太郎のホテルのメモ用紙に描きつけられた大量のイラストは、彼の湧き上がってくる様々なイメージの断片、脳内の活動をリアルに見せつけられるようで、ゾクゾクします。内部にある野生の活動の表現形態の展示でしょうか。
いろいろなものが一見雑多に無秩序にあるように見えて、大きな体系をもっているものが自然であり、その表出として野生があるのではないか。
この列島に生きてきた人々は、自然、精霊、聖なるものと一緒に生きてきて、独自の思想の体系(未だ完全に体系化、言語化されているとはいえません)を育んできました。自分の中に潜む野生を探ること、気付くことが新たな一歩につながるのではないでしょうか。
感じ方、考え方も百人百様となる展覧会で、実際に会場で野生の声を「感じる」しかないと思います。
展覧会をあとにして、六本木の雑踏の中に引きずり戻されると、都会生活はやっぱり疲れるな、と強く思いました。
★おまけ★
帰り途、ミッドタウンのビルの片隅で感じた景色。得も言われぬ野生を感じました。