シャボン玉のお散歩

アート・読書案内・旅など日々の徒然を綴ります。

子どもと教育、その変遷と将来について思いを馳せる

学校にあまり行かなかった ぐるぐるです。学校嫌いだったからね。ぷぎゃっ!

 

さて、今回ご紹介するのは、

パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「子どものための建築と空間展」です。

先日、内覧会に行ってきました。

 

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一体、どんなコンセプトの展覧会なのか?と思いつつ、内覧会の場に。

本展覧会を構成した学芸員の方々のギャラリートークを楽しみつつ、今回の展覧会の意義を考えました。

子どもの遊びと学びを大切する空間としての学校建築や、関連する設備や備品を通じて、子どもとは?子ども時代とは?子どもの成長とは?・・・

そんなことを感じ、考えるための、今までにはない展覧会だと思います。

 

大きく分けて以下のような時期に分けての展示です。

①学校教育が始まった明治期の教育展示

②子どもの世界が広がりを見せた大正期

③第2次大戦後の復興期(1950~1970)の教育空間

④多様化と個性化の時代(1971~1985)

⑤現代の教育空間(1987~)

 

各時代を代表する教育設備や教育玩具の展示がこれでもかと展示されています。初めて目にするものも多いです。

松本市に現存する開智学校の図面や幼児教育の祖と言われるドイツのフレーベル考案の

教育玩具などなど。

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初期の学校教育から、子どもの感性や内在する可能性を引き出すための情操教育の発展にともない花開いた児童文学や子どものための文化の成果の数々も展示されています。

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教育設備の設計図面やミニチュアモデルもあり、でき得る限り実物の実感を伝えようとするこだわりが感じられます。(設備の実物は展示できませんからね…)

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時代を特徴づける学校などの建築物の説明も充実しています。

公園に設置されていた巨大なタコの滑り台は、東京藝大の学生さんたちも参加したプロジェクトで作られたものということも今回のギャラリートークで知りました。(あの空間で遊ぶのは、ずいぶん楽しかったことを思い出します。)

イサム・ノグチの描いた設計図面など、貴重なものも。

 

この展覧会は、青森県立美術館にも巡回するらしいのですが、そちらの会場でご覧になった方が、もっとよい展示になることと思います、と学芸員の方が仰ってました。

汐留ミュージアムは、スペース的にちょっと狭いのでしょうね。

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会場の最後に、みんなでつくるアートが。マジックテープ製の棒を放り投げてくっつけていきます。どんな形に変化・成長するかは、会期中のお楽しみ。

 

観終わってみて、日本には、こんなに様々で多様な教育空間で満ち溢れていたのかと驚きを禁じ得ません。

そして、自分にあった環境で自由に学べたなら、どれほど有意義で楽しいだろうかとも。そうだったら、ぐるぐるも、もっと学校で過ごしたいと思ったかも知れません。

 

教育ってのは、子供の能力・可能性を開花させるということが第一の目的であるはずで、そのために何ができるか、何をすべきかを考えるべきだと思うのです。

だから、幼保一体化とか教育無償化とか、ご都合主義や票集めやカネの帳尻合わせみたいなことやってるだけじゃ、真の教育なんてものからは程遠いとも思います。

まあ、権力者に物言わぬ劣化した国民を製造し続けたのが日本の教育の結果だろうから、権力者の教育グランドデザインは成功したわけでしょうけれど。

この極東の島国に生まれ落ちた子供たちよ、君たちの将来は奈辺にあるのか!?

そんなことを思いつつ、子どものことを第一義に教育をかんがえた先人たちにならい、何ができるだろうかと考えながら帰途につきました。

 

※本記事の写真はすべて、主催者の特別な許可を得て撮影したものです。

 

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