タクシーでホテルに到着。空港からは20分ほど。
チェックイン手続きを済ませ、ホテルのおねぇさんに、「実は飛行機で荷物がロストしちゃって…。空港の担当者が言うには、見つかったらホテルまで届けるって言ってて…」と伝えると、
お姉さんは、「まあ、なんてこと。大変だったわね!」と言ってくれます。
なんだか、その心配そうな表情に、異国での思いやりに触れた感じがして、少し救われた ぐるぐるです。
お姉さんは「書類ある?」と聞くので、バゲッジクレームの手続書類を出すと、コピーを取り何事かを準備しています。おそらく他のスタッフへの申し送り事項にしてくれているのでしょう。
「荷物が届いたら連絡しますね」とも。
あ、ちゃんとしてるホテルだな、ここ。なんか安心できる…、よかった。
さて部屋に入ると、天井高いし、広いしいいわ。ここ!
しかし、喜んでいる場合ではありません。
考えなければならないことがあります。
――荷物がない!
生活に必要なもののほとんどがそこには収納されている。
下着、着替え、電動歯ブラシ、化粧水、ガイドブック、携帯やカメラの充電器…
とりあえず、手荷物の機内持ち込みトランクには、歯ブラシ・歯磨き粉・デンタルフロスはあるので、最低限の衛生的生活は確保できた。
よかった…
洗面室に入ると、かなり大きなはしご型のタオルドライヤーがある。
これなら、パンツや靴下は石鹸で洗って乾かすことができるではないか!
というわけで、さっそく今身に着けているシャツ、パンツ、靴下を洗ってよく絞ってタオルドライヤーに干しておいた。
デジカメやスマホの充電器がないので、荷物到着までは、なんとか電池を持たせねばなりません。明日から観光したりするのに、大丈夫かなあ…。不必要に機械を動かすことは避けるしかありません。
ホントに荷物はホテルに届くのかなあ?
イタリア人って適当だよね…。大丈夫かなあ…。
無事届いたとして、預けたカギもちゃんと届けてくれるのかなあ…。
大体荷物はどこにあるのよ?空港の係官の様子だとパリにあるっぽかったけど、もし南米とかに行ってたらどうしよう…。
ああ…。
と無限ループの不安がぐるぐると頭をめぐります。
不安を抱えながら床についた、フィレンツェ到着1日目。
ホント、イタリアとの相性最悪だわ…と思いつつ、そのマイナスの想念を打ち消しつつ眠りにつきました。
つづく