三井記念美術館の「驚異の超絶技巧!ー明治工芸から現代アートへー」展に行ってきました。この展覧会、早々に行きたかったのですが、諸事情でのびのびになってました。三度目の正直でようやく叶いました。
2014~2015年に明治超絶技巧展がありましたが、この第2弾です。今回、明治の名工だけでなく、現代作家の超絶技巧が見られるとのこと。楽しみです。
美術館に行くときには、ミュージアム・グラスを必携していますが、今回は絶対忘れるわけにはいきません。細かいところまで見なければ!
神は細部に宿るのです。《胡瓜》の葉脈やケバケバ感まで見ないとね。
・・・というわけで、でかけました、日本橋。人が多いですねえ。東京ですから当たり前ですが。ホント、どこ行っても人ばかりで嫌になります。この日は天気が良いせいか、人出が多いですね。
・・ さて、展覧会場は、まずまずの観客ですが、平日ということもあり、混んでて観にくいというほどでもなく、よかったです。外国人の観光客も結構来ていました。日本の美術に興味を持ってくれる人が増えることはうれしいことです。
展示会場に入ると、宮山香山《猫二花細工花瓶》と現代作家 高橋賢悟《origin as a human》が展示されていて、写真撮影可能でした。
今回の目的は、現代の匠たちの表現と技術を実見すること。
正直に言って、現代作家の方たちの名前を存じ上げてはいないのですが、そのため、作品自体に向かい合うことができます。
素材も、ガラス、大理石にアルミニウムなど多岐にわたります。もちろん伝統的な木素材もあります。
創意工夫は、過去の工芸家に劣るものではありません。見ごたえ十分です。江戸時代以前から伝わり、その後発展した技法(失われて再現不能なものも多いですが)を、高い技術力でモノにしていることがうかがえます。
高い技能で自らの豊かなアイデアを形にすることに成功している作品ばかりです。
出品作家の方々は以下の通りです。
【出品現代作家】
染色:青山悟
牙彫:橋本雅也
木彫:前原冬樹
木彫:加藤巍山
木彫:大竹亮峯
大理石彫:佐野藍
漆工:更谷富造
鍛金:本郷真也
金属工芸:高橋賢悟
水墨:山口英紀
七宝:春田幸彦
自在:満田春穂
陶芸:稲崎栄利子
ガラス:臼井良平
彼らの創作活動を支えうる豊潤な精神性を湛えた社会となっていけばよいのに、という思いを強くしつつ、会場を後にしました。
図録ももちろん購入しましたが、欲を言えば、細工の細部までを見られるようなアップ写真をもっと入れていただきたいですね。ページ数や価格との兼ね合いもあるでしょうが、そうなれば資料としての価値も倍増すると思うのです。
会期2017年12月3日まで
www.mitsui-museum.jp